1月12日(土)、短期大学部幼児教育学科の発表会・展示会。学生たちによる手作りの発表会で、一年間の授業の成果を見てもらうものである。この行事に備えて昨年末から、そして今年に入って、まさに学生たちは懸命に取り組んでいた。当日、多くの方々が来られ、学生の作品や劇などを鑑賞しておられた。
そして1月19日(土)、京都外国語大学・大学院外国語学部英米語科教授のジェフ・バーグランド先生を迎え、「異文化からみた日本の子育て~子育てをもっと楽しみましょう!」をテーマにこども応援ひろば2012パートⅡが催された。氏はテレビにも出られるなど著名な方であり、京都の鴨川沿いにある町家に住まれるなど日本人以上に日本の文化を愛しておられる。
講演の出だしが、“私は、この講演をする5分程前に歯を磨いてきた。これは、歯の為にするのではない。祖母に、歯を磨いておれば、汚たない言葉は出ないと言われたからである。だから、一日に7回位磨いている。”から始まって、子どもを育てるとは、少し離れた所から見るということが大事である。つまり、いつも子どもに密着しているようでは子どもは育たない。親や教師は、与えるという意識が強いが、学ぶことが大切である。私の経験では、教えたことが1なら、学んだことは99である。大人は、変化していく子どもから学ぶことも大事。私自身、教えている相手である学生、そして子どもや孫からも色々と学んでいる。そこからヒントを得ることが出来る。教師は、子どもや生徒からも学んでいこうとする姿勢を持っていれば、教師自身も考えが変わってくる。人間は、一生学んでいくことであり、このことによって人は成長していく。
コミュニケーションには発信と同じく受信も要る。日本は発信より受信の国であり、この点は世界一である。日本人は、場を読むことに長けている。一を聞いて十を知る。そして、日本の子どもとアメリカの子どもの違いなどを語られた。
人はさまざまなことで悩む。解決策がなくて考え込んでしまうときがある。しかし、矛盾を抱え、悩んでいるうちが花である。子育てで色々悩むことがあっても、子どもの成長過程を楽しむことである。
聞いている側を全く退屈させず、澱みなく話され、かつ大変ユーモアに富んでいた。演壇での動きも軽やかで、話術は巧みで、我々も見習うべき所が多々あった。一つの所から、どこへでも話を発展されるのにも驚いた。
会場には一般の方々も多く、学生たちも真剣に聞いていた。講演が100分、その後30分間、質疑応答がなされた。高槻から来られた60歳代の男性、地元の東大阪在住のお母さん、子育てに奮闘する本学卒業生、そして学生等が質問し、これに先生は丁寧に答えられていた。出席された一般の方々も、本学学生にとっても、いい勉強になったことと思う。こどもの未来への大きな指針となったのではないかと思う。