人類を虫が救う!?「昆虫食」の特別授業を実施しました
2020年 7月 14日
6月16日(火)兵庫県立篠山東雲高校で、「食農研究」の授業の一環として本学実践食物学科の松井欣也教授による特別授業がスタートしました。
今回のテーマはずばり「昆虫食」、関心を持たれた同校農業科の藤原先生から東京の食用昆虫科学研究所を通して本学に依頼があり、この日の特別授業が実現しました。
この日は昆虫の試食もあり、授業開始前から生徒の皆さんも興味津々。地元の新聞社も取材に来られていました。
コロナウイルス感染防止のため、席の間隔を十分にとり、向かいあった状態の会話を避ける、調理実習は行わない等の配慮をしたうえでの授業となりました。
1時限目では、まず松井先生が世界の食糧事情、食料自給率、食品ロス、昆虫食の栄養等についてパワーポイントや動画をもとに説明があり、現在大きなニュースとして報道されている「サバクトビバッタ」の生態や被害についても紹介されました。
2時間目はいよいよ昆虫食の実食です。
事前にアンケートで体調やアレルギー等について確認をした後、事前に藤原先生が購入された昆虫の甘露煮(イナゴ、蜂の子、カイコの蛹、ザザムシ)や蜂の子煎餅が教室のテーブルに並べられ(写真)、まず藤原先生が実食、生徒の皆さんも次々と試食しました。
生徒の感想を一部紹介します。
Aさん
講義を受けて、意外に虫はおいしく、最初は抵抗感があったけれども、最後の講義では嫌な気持ちが無くなっていました。広めていくために、最初はパウダーを使ったお菓子やパンを作り、それを販売して「虫はおいしいんだよ」と広めていく必要があると私は思いました。
Bさん
昆虫食を食べて広げていくためには、今回したような昆虫食の体験を、今度はイベントにすることで、世の中の人に昆虫食のことについてもっと知ってもらえると思います。昆虫食を知ってもらうことで、今後、日本が食糧危機になったときに昆虫食を食べる人が多くなるのではないかと思います。
Cさん
自分は虫を食べたことが初めてなのですが、とてもおいしかったです。ザザムシが気に入っています。他にもクッキーに虫を混ぜ込んだもので、芋虫はお茶のあじがしておいしかったです。カレーなどは食欲がなくて食べられませんでしたが、今回の講義はとても良い経験になりました。
特別授業は6月23日(火)、6月30日(火)にも引き続き行われました。生徒の皆さんは昆虫食についての講義や昆虫採集、昆虫の調理見学、昆虫の実食の体験等を通して、「昆虫と食」を多面的に考察し、昆虫食の意義を総合的に学習することができたのではないでしょうか。