インタビュー vol.15 趙 夢雲 学科長
まずなぜ「アジア」なのか。グローバル社会において、学問も社会の変化と需要に応じて新しい模索をする必要があります。こども学も当然その例外ではありません。少子高齢化問題など、こどもを取り巻く環境は、アジア諸国、とりわけ東アジアの国と地域では共通点が多いです。アジアこども学科では、こども学の専門知識と経済・経営の知識、国際教養関連の知識、更に語学力を身につけるための授業を行っています。経済と経営を一緒に並べるのは、ビジネスの現場では、経済と経営を分けて語ることができないからです。
本学の案内にも書かれているように、アジアこども学科の学生は他学科受講によって、小学校教諭1種免許、社会福祉主事任用資格、児童指導員任用資格を取得することができます。卒業後の進路としては、一般企業に就職している学生が多く、小学校教諭になった学生や大学院に進学した卒業生もいます。
アジアこども学科では、2年次に必修科目として「アジアこども学研修」という1週間の海外研修を実施しています(研修費は学費に含まれています)。昨年度はフィリピンで英語の特訓とボランティア活動を行いました。英語はマンツーマンで1週間学びますので、学生の語学力は格段に向上します。そして、何より現地の人々と交流してそれぞれの文化に触れることで「世界は広いよ、活躍の場は無限大だよ」ということを肌で感じてもらうことができると思います。
また、本学科では「ダブル・ディグリー・プログラム」という、本学の学位と共に提携している海外の大学の学位を取得できる制度も導入しています。高度な語学力が求められますので、非常にハードルは高いですが、ぜひ挑戦してもらいたいです。
構想の段階ではありますが、提携校をはじめとする海外大学と連携して、様々な課題解決型学習科目を開講したいと思います。例えば、本学科の学生が海外大学の学生たちとグループを組み、国内外におけるフィールドワークなどを通じて、実社会に存在する具体的な課題についてグローバルな視点から解決策を探ったりします。学生たちは、仲間との協働を通じて、実践的な課題解決力、調整力、異なる価値観への寛容性を身につけることができるでしょう。また、地域貢献の一環として、本学科の留学生が講師となって地域の小中高生や住民に語学講座を開けたらと考えています。講師となる留学生は、事前に担当教員からトレーニングを受け、外国語を教えるという経験から、自律的かつ能動的に学習する姿勢を身に付けることも期待できると思います。
大学のキャンパスは、自分自身の可能性を、少しずつ具体的な形に実現していく場所、そして自分自身を変え、卒業後の社会人としての土台を築き、将来の飛躍に備える場所でもあります。すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなります。少しでも興味を持ったことを自ら掘り下げて追究することによって見つけたこと、或いは辿りついた結論はあなたの一生の財産になるに違いありません。
本学科に留学生が多く在籍しています。日本にいながら、多様な文化・価値観を持った海外からの学生と机を並べて一緒に勉強すると同時に、異文化を体験できることもアジアこども学科の特徴の一つと言えるでしょう。本学科だからこそ体験できること、勉強できることがたくさんあると思います。